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アルミニウム業界のカーボンニュートラルに向けた動向と展望

アルミニウム板材や押出材などの製造時のCO2排出量は新地金製造分が約9割を占めている。そのため、アルミニウム製錬メーカーでは新地金製造時に使用する膨大な電気を再生可能エネルギーにするなどの取り組みが進められている。日本では新地金は生産されておらず、海外からの輸入に依存するが、Scope3におけるCO2排出削減に意欲的な自動車分野や建築分野で「グリーンアルミ」の国内導入が徐々に始まっている。 しかし、「グリーンアルミ」については、原料コストの上昇はもとより、地金ソース紐づけによる生産効率の低下等を指摘する声も聞かれる。実際、国内のアルミニウム業界内でも「グリーンアルミ」の活用について慎重な姿勢を採る企業も見られる。 また、最近では資源循環を通じた低炭素化の手段として水平リサイクルの取り組みが活発化している。現状、工程内端材等を使用した水平リサイクルがほとんどであるが、使用済み製品を対象とした水平リサイクルシステムの構築に向けた動きも見られるようになってきている。市中アルミスクラップの安定調達面等、課題は多いものの、鉄道車両や太陽電池、樹脂サッシ等での取り組みが進みつつあり、今後の動向が注目される。 本レポートでは、国内企業にヒアリングを実施し、海外企業事例および動向も参考にしつつ、日本国内におけるアルミニウム業界のカーボンニュートラルに向けた取り組み、アルミニウムのリサイクル技術、グリーンアルミやアルミニウム再生地金の動向、参入各社の取り組みや今後の事業展開の方向性などを明らかにするとともに、アルミニウム業界のカーボンニュートラルを取り巻く環境や見通しについて分析を行っている。

発刊日 2023年02月14日 体裁 144頁
資料コード C64113900 PDFサイズ 14.6MB
カテゴリ マテリアル / 海外情報掲載
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目次

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13
1.市場動向
2.企業動向
3.展望と課題
第1章 アルミニウム業界のカーボンニュートラルに向けた動向と展望
19
・「コントロールの及ばない」Scope 3 の排出量の把握こそがカーボンニュートラルの出発点 鋳物需要の縮小を見据え、展伸材 to 展伸材への循環利用に向けた動きが本格化の兆し
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【ク゛ラフ】アルミ合金/アルミ地金輸入量 2021 年~2022 年(対ロシア)
22
【ク゛ラフ】アルミ合金/アルミ地金輸入価格 2021 年~2022 年(対ロシア)
23
・リサイクルの優等生から資源循環のリーダーへ ユーザーから選ばれ続ける素材であるためにはサプライチェーン全体での取り組みが重要
23
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【図】100%リサイクルアルミを使用した Apple Watch・iPhone SE の PCF
25
・グリーンアルミの戦略的調達に向けてサプライヤーと「バイヤー以上」の関係構築を
25
29
29
・水平リサイクルの拡大には市中回収スクラップのスキーム構築が不可欠
32
32
【ク゛ラフ】展伸材における資源循環使用率の目標(2019、2030、2050年)
33
【表】展伸材の循環利用における課題
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【図】アルミニウムの展伸材における循環使用率の向上の道筋/アルミ展伸材の製造に係る CO2 排出の長期的な削減の見込み
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【図】一次アルミカーボンフットプリントの B2DS に沿ったシナリオ(t CO2e/t AI)
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【ク゛ラフ】2050 年までの CO2 排出量削減推移(2005~2050)/【表】IAI ロードマップにおける脱炭素へのパスウェイ
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【表】欧米・中東アルミニウムメーカー脱炭素動向の一例
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47
【表】主要圧延メーカーによるカーボンニュートラル目標
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3-1. 再生可能エネルギーを利用した脱炭素化
48
49
51
【表】品目別/用途別でのアルミスクラップ回収量の見通し(2020~2050年)
53
【ク゛ラフ】品目別でのアルミスクラップ回収量の見通し(グラフ 2020~2050年)
55
【ク゛ラフ】用途別でのアルミスクラップ回収量の見通し(グラフ 2020~2050年)
56
57
59
【表】ASI PS 認証における要件
61
【表】国内圧延メーカーの動向
63
・建設・輸送業界を中心に低炭素製品のニーズが拡大
67
68
73
76
82
◆株式会社 UACJ
85
・アルミ缶材を自社の「成長基盤」と位置づけタイと米国での供給体制を強化 Scope 1, 2 は再生エネの活用拡大、製造所での省エネ推進などにより目標達成を目指す
・日系圧延メーカー初となる Aluminium Stewardship Initiative 認証を 2022 年 3 月に取得
・サプライチェーンでの CO2排出量削減の最重要課題であるリサイクル技術の深化に取り組み アルミ缶以外の水平リサイクル拡大を目指す
・東洋製罐、サントリーと協働で CO2 排出量 60%削減、リサイクル材 100%のアルミ缶を実現
◆日本軽金属グループ
91
・各事業のバランス良い構成比によりグループの力を結集する体制を確立
・グリーン新地金やスクラップの活用拡大を通じ、循環型サプライチェーンの構築を目指す
◆東洋アルミニウム株式会社
95
・2023 年 4 月に株式会社 UACJ 製箔と経営統合の予定 品質・グローバル競争の強化を通じ、一般箔の供給維持、LiB 用箔の供給拡大の両立を目指す
・群馬製造所では全社よりも高い 2030 年度 CO2 排出量の 48%削減に目標を設定 再エネ活用等の取り組み内容をマスタープランに各製造所へ水平展開も見据える
・Scope 3 では再生可能エネルギーを使用し製造されたグリーンアルミの調達を検討 水平リサイクルでは、加工屑の活用に加え、PCR の実現にも取り組む方針
◆ハリタ金属株式会社
99
・「アルミ二次合金製造」から「リサイクル」への早期の移行が今の事業基盤強化につながる CO2 排出量の削減に向けては「省エネ」「創エネ」「代エネ」を推進
・地下鉄 to 地下鉄から新幹線 to 新幹線は、Car to Car を見据えた先手となる取り組み アルミ業界では合金○○系 to○○系の水平リサイクルも活発化になるとの見方
◆YKK AP 株式会社
104
・2021 年 6 月にカーボンニュートラルプロジェクトを発足、CN 技術開発を強化 2021 年度 Scope 1+2 の CO2 排出量は 329 千 t-CO2、今後は太陽光発電の更なる増設へ ビル用アルミ建材商品の新たな製造拠点、埼玉新工場は 2023 年 7 月から稼働予定
・scope 3 では「購入した製品・サービス」が 9 割、このうちアルミ材は 87%を占める 2023 年 9 月リサイクル炉稼働予定、2030 年度のアルミニウムリサイクル率 100%へ
◆不二サッシ株式会社
110
・2 年以内の SBT 認定取得を目標に 2022 年 2 月にコミットメントレターを提出 海外を含むリサイクルルートを検討し市中回収によるアルミリサイクル実現を目指す
・建屋屋上やカーポートへの太陽光パネル設置を通じ、再エネの活用拡大を推進
・2022 年度にはグリーンアルミを実証実験的に調達 今後はリサイクル材と併用してさらなる使用拡大を目指す
◆株式会社竹中工務店
114
・2023 年 1 月に 2023 年度中の SBT 認定取得を目指すことを発表 Scope 3 では ZEB の推進や ECM コンクリートの使用によりライフサイクル CO2 ゼロを目指す
・2021 年の施工時原単位は 8.3 CO2t/億円と目標値よりも低い水準を達成 強みとする地下工法を活かし、工期短縮による省エネを実現
・CO2 排出量のさらなる削減へ、カーボンネガティブコンクリートの共同開発に取り組む 高炉鋼から電炉鋼への移行を検討、木建材・エコダクトの利用も促進
◆川崎重工業株式会社
119
・CO2 FREE、Waste FREE、Harm FREE を柱とした Kawasaki 地球環境ビジョン 2050 を策定 環境経営活動基本計画 2022 を通じ「CO2 排出量を 2022 年からの 3 年間で 1.5 万 t 削減」
・Scope 1, 2 を対象に、2030 年までに国内において Net Zero の実現を掲げる Scope 3 ではカテゴリー11 を重要課題として位置づけ CO2 排出量削減に取り組む
・水素運搬課題を解決し、2022 年 2 月に世界初の液化水素国際間輸送を実現 「CCUS・代替燃料」では、DAC の早期商業化にも期待
◆三菱電機株式会社
125
・「カーボンニュートラル」及び「サーキュラーエコノミー」を軸に「環境計画 2023」を展開
・製品環境情報システム構築によりグループ内 Scope 3 データを一元管理 製品の省エネ化等を通じ、カテゴリー11 の CO2 排出削減につなげる
・2010 年より家電分野において「自己循環リサイクル」を展開
◆サントリーホールディングス株式会社
130
・2050 年までにバリューチェーン全体で GHG 排出実質ゼロを目指す
・2021 年の GHG 排出量(Scope 1, 2)は 944 千 t、基準年から 7.0%マイナス Scope 3 では容器・包材や原料が該当する「購入した物品、サービス」が 69%を占める
・UACJ と東洋製罐グループとともにアルミ缶 1 缶当たりの CO2 排出量を約 60%削減 今後は生産効率基盤の確立と低炭素アルミニウム地金調達のサプライチェーンの構築へ
◆キリンホールディングス株式会社
135
・インターナルカーボンプライシングを用いて企業活動の低炭素化に拍車をかける
・キリンビールの 9 工場にて大規模太陽光発電を導入、5,800t/年の GHG 削減を実現 GHG 排出量全体の 80%を占める Scope 3 の削減に向けステークホルダーとの協力関係を強化
・自社でコントロールが難しい新地金による GHG 排出量削減に対しては 製缶メーカーへのアプローチなど様々な手段を模索
◆アルミ缶リサイクル協会
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・資源の循環を促進し、国内のリサイクル意識を高める啓発活動に取り組む
・2021 年度の国内アルミ缶リサイクル率は 96.6%、前年度から 2.6%プラス 同年度 CAN to CAN 率は 67.0%、前年度から 4.0%マイナス
・2025 年度までの目標値であるアルミ缶重量 16.0g/缶に対し、2021 年度に 15.96g/缶を実現 2021 年度のリデュース率は 6.2%で、2025 年度の目標を前倒しで達成

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