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2023年版 リサイクル炭素繊維市場の展望と戦略

炭素繊維(CF)と樹脂を複合化したCFRPは自動車、航空機、スポーツ用品、建築、エネルギー、エレクトロニクスなど幅広い分野で使用されてきたが、複合材料であるためリサイクルが難しく、これまでは使用済製品(廃材)、製造工程で発生するCFRP端材ともにその多くがサーマルリカバリーまたは埋立処理されてきた。しかし、最近では幅広い分野で企業のカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーへの取組み姿勢が問われるようになり、CFメーカー、CFRPメーカー及びそのユーザーと、原料、中間材料、最終製品のメーカー各社ではCFRPリサイクルの実現が重要な課題となっている。 CFRPからのリサイクル炭素繊維(rCF)の回収方法としては、これまでは高温でマトリクス樹脂を分解する熱分解法が主流だったが、最近ではより高純度なrCFが得られる溶媒分解法への参入が目立つようになり、課題であった回収量もリサイクラーの設備投資進展で解決しつつある。従来工法の熱分解法でも、量産レベルの設備の稼働開始や増設などの動きも見られるなど、国内での本格的な市場の立ち上がりが期待される。 参入メーカーの中には、リサイクル炭素繊維市場はいかにrCFを「回収」するかという段階は終了し、回収したrCFをどうやって「活用」するかのフェーズに入ったとの声もあり、rCFと樹脂をコンパウンドしたペレットやrCF不織布など、実際の使用を意識した製品の市場投入も始まっている。 本企画ではrCF市場に参入する企業や研究機関にヒアリングを実施し、マーケット動向、技術動向、参入企業・研究機関の動向について分析・考察を加え、リサイクル炭素繊維市場を取り巻く環境や見通しを分析する。

発刊日 2023年10月31日 体裁 157頁
資料コード C65116500 PDFサイズ 30.1MB
カテゴリ マテリアル / 海外情報掲載
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目次

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13
1.市場動向
2.企業動向
3.展望と計画
第1章 リサイクル炭素繊維市場の展望
19
【表】日本及び欧州の廃プラスチック排出量及び処理量内訳(2010、2020年)
20
【図】CFRP端材・廃材からのリサイクル量のイメージ
21
21
【図】炭素繊維の比強度・比弾性比較
22
・廃棄地の特定が難しい使用済製品のリサイクル実現には未だ高いハードル 「地消地産」実現のためには端材の確実な回収・リサイクルシステムの構築が喫緊の課題に
23
・短繊維化は必ずしもダウンサイクルではない、rCFにしかない「環境価値」の訴求で vCFでは実現できない新たな用途・市場の開発を!
25
46
49
51
53
81
◆富士加飾株式会社
93
・価格、性能、LCAなどrCFならではのメリットの訴求で vCFの代替ではないrCF独自の市場開拓に取り組む
・独自の熱風循環方式により成形前の繊維配列のままで劣化の無い高純度なrCFの回収を実現 rCF単体ではなく、ペレット、不織布、織物など多様な形態の加工製品として展開
・2022年にはrCFの量産・拡販を担う子会社富士デザインを設立 材料メーカー、製品メーカーとの協業によるサステナブル製品の社会実装への取組みを強化
◆株式会社新菱
100
・2018年よりrCF回収、rCFコンパウンド事業が本格始動 2023年にはPVパネルとCFの共用リサイクルプラントが稼働開始
・2023年度内にrCFコンパウンド生産能力を3,000t/年に拡大予定 OA機器由来のリサイクル樹脂を使用した繊維・樹脂オールリサイクル品の需要に期待
・不活性雰囲気下での熱分解による酸化ガスによる劣化の無いrCF回収に強み 三菱ケミカルグループと連携し、CF未使用分野の開拓に取り組む
◆アースリサイクル株式会社
105
・グリコール類による湿式分離法でCFRPを始めとするあらゆる廃棄物の分解・再利用を実現
・rCFだけでなくマトリクス樹脂のエポキシも回収可能、より再生度の高いリサイクルを実現 繊維の表面処理や樹脂残渣の程度はニーズに合わせて対応可能
・2022年に容積1,400Lのバッチ式多機能熱分解装置が本格稼働 さらなる高効率化を実現する連続式設備、二段階分離方式の開発も完了
◆アイカーボン株式会社
110
・2018年以降は酸アルカリ法によるダメージの少ない炭素繊維リサイクルに取り組む 酸反応とアルカリ処理の合わせ技でvCFより高強度のrCF回収を実現
・より幅広い用途での展開を目指し射出成形樹脂と複合化しやすい カットファイバー状rCFの回収に成功、2023年4月に特許を申請
・豊田通商との協業により中京地区での量産プラント立ち上げを目指す
◆株式会社ミライ化成
115
・商社の発想でrCF事業を展開、マトリクス樹脂の種類やrCFの用途 求められる品質や生産性などを考慮し最適な溶媒を選択できる体制に強み
・前処理~分解~アフタートリートメントまでの独自プロセスを構築 繊維劣化が無く残存樹脂が極めて少ない高純度のrCF回収を実現
・プレス成形可能なrCF不織布としての展開を推進 2023年にはrCF/PA不織布を成形したアタッシュケースの発売を開始
・回収能力500kg/月の量産パイロット設備が2024年度より本格稼働開始予定 業界の垣根を超えた持続可能なリサイクルビジネスモデルの確立を志向
◆旭化成株式会社
120
・旭化成、北九州高専、東京理科大の3者で連続rCF回収技術開発プロジェクトを推進 強度劣化のない連続繊維のリサイクルでvCFと同様の活用・用途開発を目指す
◆DIAM株式会社
124
・独自に開発した導電性合成ダイヤモンド電極の様々な用途での実用化を目指す
・電解硫酸によるrCF回収では電極となる導電性合成ダイヤモンドの自社製造と溶液となる 電解硫酸の完全循環システムで差別化
◆一般財団法人ファインセラミックスセンター
128
・CFRPリサイクルへの取組みは2009年にスタート バッチ式、連続式ロータリーキルンとニーズに合わせた開発・デモを行う
・過熱水蒸気により低エネルギー消費、低コストで高品質なrCFを回収 水素タンクなど大型・厚肉製品に対しても効率的なリサイクルを実現
◆株式会社ユウホウ
133
・「どこにもない不織布」をコンセプトに、優れた機械特性と成形性を併せ持つ 独自製品「疾風-HAYATE-®」を開発、20年以上の量産実績で市場優位性を確保
・ニーズに応じたカスタム対応だけでなく、顧客の製品に最適なシート設計・成形方法の提案など モノづくりのパートナーとしてのポジションで欧州市場を中心に採用実績を拡大
◆株式会社フジコー
139
・2021年に親会社のニッケよりrCF/熱可塑性繊維混紡不織布事業を移管 2022年よりサンプル供給を開始
・用途や成形方法に合わせてrCFと組み合わせる熱可塑性繊維を選択・配合 EVの軽量化を実現する新素材として内装部品での採用に期待
◆国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
143
・退役航空機、工程内端材、メンテナンス用在庫から回収したrCFの有効活用に向けた 研究開発を2010年から継続
・独自のカーディングマシンで高配向なrCFウエブを実現 エポキシを含侵したrCFRPはA2024と同等以上の強度を示す
・rCFの社会実装に向けた企業同士の情報交換・ネットワーク構築を志向
◆Gen 2 Carbon Limited
147
・グローバルレベルでも最大規模となる1,700t/年の処理能力を保有するプラントを稼働 2021年5月に長繊維のリサイクルにフォーカスする経営方針を発表
・研究開発に注力し豪州大学とも同地でのrCF市場発展のため戦略的提携を締結 2025年までに豪州と米国に2つの海外工場を開設計画も発表
・熱分解法によるrCFはニーズに合わせて一次加工品、二次加工品として供給
◆Mitsubishi Chemical Advanced Materials
150
・2020年8月にドイツCFリサイクラーおよびrCF販売会社を買収し CFRP・CFの製造、回収、リサイクルまでを一貫して実施できる体制を構築
・2023年中にドイツのリサイクル拠点の処理能力を増強する計画を発表 川下領域に注力し、自動車産業をターゲットにrCF事業を展開する
・2022年11月には従来の短繊維と比較して多方向からの衝撃や荷重に強い複合材料を開発 rCF特長を実証したケーススタディを実施、CFを未来の素材として各種業界への展開を図る
◆Carbon Conversions Inc.
152
・PIR調達先へrCFを再供給するClosed Loopシステムの構築に着目 使用量が多い航空宇宙産業をrCFマーケットの拡大のカギと位置付ける
◆Vartega Inc.
155
・2022年8月に自社の生産拠点を10倍に増強する計画を発表 年産2,000tの生産能力により北米で拡大する顧客需要への対応を図る
・特許取得済みのリサイクルプロセスであるHardware-as-a-Serviceを強みとし 100t/年の硬化前のプリプレグスクラップを処理、エンプラなどへコンパウンド化

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